−イセッタ
とは−

イセッタとは、皆さんもご存知のBMWが販売していた自動車の1台。
イタリアのミラノ近郊で戦前、冷蔵庫、ラジエーター、ウォーターヒーター等を生産していたイソサーモス社(以降イソ社)が第二次世界大戦後まもなく、
発売を始めた自動車が始まりです。
イセッタのデザインコンセプトは、冷蔵庫の扉から来ていると言われています。
しかし、イソ社は生産を続けていたもののイタリア国内において、搭載した2ストロークエンジンの故障も多く、あまり業績を伸ばせませんでした。
そんな中、ブラジル(ロミイセッタ)、フランス(ベラムイセッタ)、ドイツ(BMWイセッタ)、スペイン、
ベルギー等のメーカーとライセンス契約を結び業績を伸ばし、最終的にはドイツBMW社がイセッタ生産のメインとなります。
当時、航空機エンジンを主に作っていたBMWは、自動車の販売もしていたが経営難にあった。
1955年4月からイセッタ250を発売し、後ろ2輪の4輪タイプとイギリス用3輪タイプをその年の終わりまでに、約1万台以上を販売しました。
BMWはイセッタの大ヒットにより、倒産の危機を間逃れたという逸話があります。
BMWのイセッタ生産の成功は、イソ社の2ストロークエンジンから自社のモーターバイク・R25、
4ストローク・シングルシリンダーエンジンに変更した事で、耐久性や加速力が向上しユーザーから高い支持を受けました。
実際、BMW製のイセッタが多い理由は、生産台数が多かったという事よりも他社より高い品質が現存の理由の様です。
イセッタはミュンヘンのBMW工場にて1955−1962年までの8年間に約16万1721台が生産されその内約2万9000台あまりが
イギリスで生産されました。
アメリカへも約8500台が輸出され、そのほとんどは300ccエンジンで、初期の250ccエンジンはヨーロッパ内で販売されていました。
初期型の1955年〜57年モデルはバブルウィンドウボディスタイルと言われ前方の小さな窓が少しだけ開閉するタイプ。
バブルカーとは、ガラス面の多さからシャボン玉(バブル)に似ている所から呼ばれたそうです。
57年以降モデルからは、スライディングウィンドウタイプとなり窓が大きく横にスライディングする事により換気性は向上し、
オリジナルのイソ社製のデザイン性重視より実重視のドイツスタイルに変更になったのでした。
イセッタは多くのユーザーに愛されるパーフェクトデザインな小型バブルカーでした。
1ドア、1シリンダーエンジン、1スパークプラグ、1又2本のワイパー、スライディングウィンドウ、サンルーフ、ヒーター、
燃費も20〜30km/L走る、とてもシンプルな構造の究極な2人乗りエコカーだったのです。
(文章はイセッタプラネットより一部引用)
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